空回り

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エロい(泣)

 前々から、「エロい(泣)」と感じることがままあって。いや、「エロい(泣)」ってなんだよ、どんな気持ちなんだよと思われるだろうけれど、文字通りエロさと悲しさが両立している状態のこと。まあ具体的な話をしたほうがとっつきやすいと思う。ここから先は下世話なトピックになるので注意。

画像と本文は無関係です

 たとえば、Twitterでエロい漫画とかイラストが流れてくる。でも、シチュエーションはときに現実的ではなくて、男主人公のセクハラをまんざらでもないようなしぐさで受け止め、行為に及ぶとか、何らかの絶頂に向かわせようとしてくるとか、そういうことがある。トートロジーだけど、フィクションはフィクションであり、わざわざノンフィクションに漸近する必要なんてない。けれど、僕はその現実性のなさ、もっと踏み込んで言うと男性にとって都合の良すぎるシチュエーションが苦手で、だからこの手の表現を見るとどうしても文末に(泣)と挿入せざるを得なくて。かくして、表題の「エロい(泣)」に至るのだ。

 何もアダルトコンテンツに限った話じゃない。未だに脳裏に焼き付いているエピソードがひとつある。中学生の頃、友人に勧められて借りたラノベを読んでいたら、男主人公がやむを得ずヒロインと同じ部屋で寝ようとした晩に、その娘がそういう行為をするものだと勘違いして脱ぎだす、みたいなシーンがあって。僕はスケベだし、多分人並みに性欲とかもあるけれど、そうと知らされずに楽しんでいたエンタメが突然エロを持ち出してきたことに完全に冷めてしまって、それ以来ラノベは読めなくなってしまった。男女が同衾するのはエロいけど、別に今はそんなの求めてない。これも「エロい(泣)」のひとつのかたちだ。

 2023年現在も、ありがたいことにオタク友達からいろんなサジェストをいただくのだけど、小説であれソシャゲであれノベルゲーであれ、「エロい(泣)」が発生するコンテンツに僕は今後もきっとノれないのだと思う。対象が実在であれ非実在であれ、僕は間違ってもセクハラ紛いのコミュニケーションはしたくないし、加担したくもない。というと正義感が強すぎるし、多分的を得てない。もっと自己中心的な言い方をすると、アダルトコンテンツ以外でエロを享受したくない。ってだけなんだと思う。突発的なエロさと、そこにエロさを介在させようとした人の手が一瞬でも想像のうちに映り込んでしまうと、僕は(泣)とタイピングせざるを得なくなる。