空回り

noteはもう使いません

2023年3月

今後、月報(?)は〇月×日に何があった、というフォーマットではなくて、その月に見たものや考えたことを雑に箇条書きでまとめていく方向でいきます。飽きたらやめます。

 

・so-vits-svcについて

 畏れ多くも、Twitterのスペースで拙作について触れられ、「so-vits-svcのようなAIが台頭してきたことを、既存の切り貼り人力VOCALOIDをしていた人はどう感じているのか」といった旨の質問を受けました。

 僕はレぺゼン音MAD作者ではありません!あくまでも一人の音MAD作者の一意見にすぎません!と前置きしたうえで上記のツリーに記載した内容のことを話したと記憶しています。正直、今後もっと使いやすいツールとしてAIがやってきたらみんなそっちに流れそうではありますし、僕も必要に応じてやるだけやってみると思います。

 

・死者の倫理

 故人をAIで(勝手に)再現、模倣することの倫理的是非についての論文がこの前出ていました(https://t.co/mXtCShvJqC)。昨年に伊藤計劃円城塔の「屍者の帝国」を読んでいたこともあり面白かったです。

現在の日本の民法においては、「出生から死まで」が人が権利を有する主体としての範囲であり、その意味で、「死者の権利」なるものは直接には認められていない。端的にいえば、法の範囲内において死者に人権はない。(62ページ3行目)

 論文の筆者曰く、

とのことです。死者に権利が認められるようになったら存続が危ぶまれる音MADジャンルとかあるんでしょうか(不謹慎)。

 

・vaporwaveの文脈の変遷

 安直な人間なので、僕は単に「言語と違ってビジュアルとか音楽は感覚的に伝わるから、そこの良さが一人歩きしていったんじゃね」と思いました。

 

・野球のルール

 バーチャルYouTuberの人がこういう発言をして炎上してました。でも、正直僕は野球知らない身としてめちゃくちゃその気持ち分かるんですよ。倫理的是非はさておき、世界大会みたいにどうしても勝ちたいシーンでなんで強い選手を怪我させるような人がいないの?みたいな。

 そこを「倫理的でない」みたいな論調で批判してしまうのはとても不親切だと思います。倫理であれ論理であれ理由があるなら知っている人が教えてあげるべきですし。僕はVtuberのこと基本的に嫌いなんですが、そこはちょっとかばってあげたいです。

 

・「意味のなさ」の意味

 この記事を書いている2023年4月現在、円城塔の「エピローグ」を読んでいるんですが、かなりこれに近い感覚があります。言語的に、人間の感覚的に決して認識できない高次の存在が自由気ままにバトルとかしているんですが、それを言語として/小説としてエンコードしてしまうと、途端に意味が通るようになってしまいます。意味不明さってジャーゴンなんですかね?

 

・音MAD作者、SF好き説

 僕にとっての音MADって、基本的にifを描く二次創作なんです。このアニメのこの世界ってこういうこともあるんじゃないか?こういう解釈もできるんじゃないか?みたいな妄想が止まらなくなって作品として発露している感じです。要は元ネタが一意に定まらないことが大切なんです。

 元ネタが一意に定まらない・・・?結局皆さんの作ってる音MADもそうじゃないですか!ただのハンバーガーチェーンの宣伝用ピエロがエロあるよって笑ってたり、任意のアニメキャラが神っぽくなってたり、いくらでも改変や妄想の余地があるんです!いや、余地がないのに無理やり妄想してる場合すらあります!!これはSFの相似形なのかもしれません。

 

・AIみたいなツールって情報格差が広がるだけじゃね

 個人的にはDeepLとかも似た匂いがするんですよね。そのまま日本語突っ込んでも主語が勝手に意図しないものに置換されたり、多義的なワードがちょっと違うニュアンスで変換されたりすることがあります。なので訳文に知らない単語や熟語、イディオムが出てきた際はちまちまググって必要であれば修正したりするんです。
 僕が気づけてないだけで直したあとの文章がまだまだ変な可能性も全然あるので、なんだかそもそもできる人のための時短ツールなのかなって感触です。

 

・差別のレトリック

 このツリー、マジでそうなんですよ!!!マイノリティの権利を認めることは別にトランス女性が女湯に入ったり、女性トイレに入ったりするのを容認することと決して同義ではないんです。むしろトランス女性当事者が1番その加害の可能性について敏感だとすら思います。

 

・通過点

 この言葉が僕に刺さってる理由って、未だに中高生のオタクを中心に流行ってるような曲への強い愛着があるからだと思うんですよね。曲の趣味を人に話して、「まだそんなの聞いてるのかよ」みたいなことを何度か言われたことがあるんですけど、どんな作品であれ人が真剣に向き合って作ったものは決して単なる通過点なんかにはならないと思っています。

 

・ハードSF

 超わかる~~~~~!!!自分がSF読んでゾクゾクする理由をめっちゃ的確に言語化しています。人間なんてお構いなしに、あるがままにたたずんでいるから好きなんです。猫がかわいいのも同根ですね。

 

・ぽっと出の秀才

 刺さったーーー!!いや、僕はぽっと出の秀才なんかじゃありませんが、色んな人と知り合っていく中でやっぱり「良いところのお子さん」の無邪気さというか残酷さに(勝手に)傷ついたことがすごくあります。あんまり誰が悪いとかではないんですけどね……
 でもやっぱコンプレックスだな〜〜。いわゆる「良いところ」に生まれてた世界線の僕をチラ見してみたいです。でもそれはそれで大したことなさそうで、自分の凡庸さを再確認させられそうなのでやっぱりいいです。

 

・愚行をする権利

 社会に迷惑をかけない限り人間には「愚行をする権利」がある!!!ミルは昨年大学の講義で扱っていたのでふわっと覚えています。そのうち読んでみたいなあ。

 

・「青春」を終えて

 僕はいわゆる「青春」を楽しめなかったがわの人間なので、年上の方のこうした話にすごく救われています。本当にありがとう。

 

今月は以上!